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まず準備しておくこと

「タダ」でできることから準備を始めましょう

事務所開業の準備、と聞くとまずは「お金」! とにかくお金がないと、なんにも始まらない・・・と思っていませんか? でも実は「お金の調達」の前にやることがたくさんあります。

1. 情報収集を徹底的に!

開業を思い立ったら、まずは情報収集です。現在はインターネットを通じて、無料で有用な情報を集めることができます。あなたと同じ業種の人の開業体験談を収集したり、開業に向けて何をすべきかを調べたりしてみましょう。
情報収集は「客観情報」と「主観情報」を整理して集めることが大切です。事業がうまくいくかどうかは、あなた自身が自分自身への客観性を保てるかどうかにかかっています。「こうすればうまくいく」というような“うまい話”だけではなく、失敗談などのネガティブ情報にも目を向けましょう。開業のリスクも知っておけば、同じ轍を踏まずにすむでしょう。
情報収集ツールとその特徴
情報収集ツール 特徴 探し方・お勧めサイト
ブログ 無料で開設できるため、多くの開業準備者がその過程を書き綴っている。リアルな体験談で役立つうえに、気持ちのうえでも励まされる。 Yahoo!やGoogleの「ブログ検索機能」を使って探してみよう。
キーワードの例:「開業準備」「司法書士 開業」「飲食店 開業」など、業種+開業
■Yahoo!のブログ検索
http://blog-search.yahoo.co.jp/
mixiなどのSNS 同じ目標を目指す人同士で情報交換ができる。先に開業している人からアドバイスを受けたい場合などに便利。 mixiの場合、「コミュニティ検索」で、同じ目的を持っている人を探してみよう。
キーワードの例:「独立開業」「サロン 開業」など、業種+開業
■mixiのコミュニティ検索
http://mixi.jp/search_community.pl?from=global
※利用には会員登録が必要です。
twitter 普段はお金を払わないと知り合えないような人(例:開業コンサルタント)をフォローすることで、情報がどんどん入ってくる。 Twitterのトップページの検索窓に「開業」と入力して検索しよう。気になるつぶやきを見つけたら、その人をフォローしよう。
■Twitter
http://twitter.com/
※利用には会員登録が必要です。

2. 人脈をできる限り広げておく

独立開業後、皆さんはどこから仕事が入ってくると思いますか? いきなり見知らぬ人がお客様になってくれるケースは少ないでしょう。つまり、「知り合い」や「友人」があなたの最初のお客様になるケースが多いのです。ですから独立開業前にどれだけ人脈を広げておけるか、が重要です。人脈を広げるのは開業後でいいじゃない、と思っている人は要注意。事業を軌道に乗せるためには、最初の半年が勝負です。本来であれば忙しいはずの時期に、友達との飲み会や異業種交流会に出ていると「こいつ、仕事がないんだな」と思われるのがオチ。開業前の今だからこそ、過去の友人関係を復活させたり、趣味の分野で知り合いを増やしておくことが大事です。
一見、仕事とは関係のない縁から仕事が入ってくることも多くあります。どのような場でも、初対面の人には良い印象を持ってもらえるよう、笑顔で接しましょう。

3. 開業後の人生を“リアルに”思い描く

独立開業は、あなたの生き方・暮らし方を大きく変えます。脱サラをして独立する人は、毎月だいたい決まった額の給与を受け取り、それで生活をするという日々から、自分の力で売上を生み出し、税金を支払い、老後の備えも自分自身で行うことになるのです。
まずは事務所開業後の自分の人生を客観的に思い描いてみましょう。「この世界でビッグになる!」というような“めざすべき目標”も大切ですが、もしあなたが30歳以上であれば、よりリアルな日々をイメージしておく必要があります。
事務所開業後、あなたは何時に起床し、どこでどんな時間の使い方をして、どのような人とかかわりながら業務を行い、何時に帰宅する予定でしょうか? 今の生活とどう変わるのでしょうか? できるだけリアルにイメージしましょう。イメージできない場合、まだ開業準備が整っていないということです。
覚悟しておくことで、精神的に一番キツイ「開業後~事業が軌道に乗るまで」を乗り切ることができるはずです。

4. 開業資金について計算する

心構えができたら、いよいよ「事業計画」とその事業に必要な「開業資金」を考えていきます。事業計画については、事業計画を立てるを参考にしてください。
事業計画が固まってきたら、開業に必要な経費を計算しましょう。
まず、最もお金がかかるのが物件取得費です。店舗が必要な業種の場合、保証金や前家賃を含めて家賃×10倍は準備しておきたいもの。司法書士、行政書士、デザイナーなどの個人事業主の場合、自宅を事務所にしてしまえば、相当節約できます。
仕事を円滑に進めるために必要な道具類、特にパソコン、インターネット環境、ビジネスフォンや複合機などは、ケチらずに最初から備えておきたいもの。また、宣伝広告費として、最低限、名刺代とホームページ制作代は計上しておきましょう。特に、ホームページは、司法書士、行政書士などの“士業”、ファイナンシャルプランナー、経営コンサルタント、司会業、講師業など、インターネット経由で仕事が来る場合もありますし、信頼性にもかかわりますので、なるべく早めに制作しておきたいところです。詳しくは、ホームページを作成しようを参考にしてください。

5. 開業資金の調達法

まずは、国や地方自治体が設けている創業支援融資制度を検討しましょう。無担保、無保証でも借りられるようになっています。ただし、開業資金のうち3分の1は自己資金を準備しておきたいものです。自己資金がなければ、日本政策金融公庫(旧:国民生活金融公庫)から融資を受けることも難しくなります。日本政策金融公庫のほかには、地方自治体ごとに開業支援制度があったり、商工会の融資が受けられたりと、いろいろな方法があります。まずは開業予定の市区町村の窓口に出向き、どのような融資制度があるかを尋ねてみましょう。また、商工会議所など行われている「開業支援セミナー」なども受けてみると良いでしょう。
資金調達の方法とメリット・デメリット
メリット デメリット
両親や親族に借りる 比較的頼みやすい。支払い期限を「出世払い」にしてくれることも。 多額のお金を借りて、予定通り返済できなかった場合、骨肉の争いになる可能性大。
友人・知人に借りる 友人・知人の人柄や社会的立場によっては、金銭面のみならず営業面等でも力になってくれることも。 一度信頼関係にヒビが入ると取り返しがつかない。裁判沙汰になり人間不信になる可能性も。
公的金融機関や自治体から融資を受ける 自己資金があれば比較的一般的な方法。 自己資金が足りないと融資がおりない。しっかりとした事業計画が必要。
自己資金でまかなう 人に迷惑をかけることなく、開業できる。 自己資金が貯まるまで開業できない。思ったよりも出費が多かった場合、日々の生活費にも困るかも・・・。