トップページ > 人材募集のはじめ方 > いい人材を見極める方法

いい人材を見極める方法

「いい人材」は1度の面接では見抜けない!

応募が集まったら、いよいよ選考に入ります。
「自分は見る目があるから面接だけで十分」と思っている人は要注意。
書類や筆記試験などをまじえることで、バランスよく、多角的に選考することができ、リスクの軽減につながります。
では、それぞれの選考過程で、どうすれば「いい人材」が見極められるのかをお伝えします。

1. 書類選考での見極め方

あなたと応募者との初めてのコンタクトは、履歴書や職務経歴書といった「書類」である場合が多いでしょう。また、求人サイトを利用している場合、メールで応募してくる人も多くなっています。
メールや郵送によるこれらの応募書類には、人材を見極めるヒントがたくさん詰まっています。メールが届いた瞬間から、選考は始まっています。採用側であるあなたも、そのことをしっかりと認識して、書類から読み取れる相手の人となりを厳しくチェックしましょう。
応募書類、応募メールはココを見よ!
封筒
(郵送の場合)
封筒の書き方を見れば、一般常識が備わっているかがわかる。
切手を貼る位置が正しいか、宛先の会社名は「御中」となっているか、差出人の住所・氏名などがきちんと明記されているか、「応募書類在中」など、中身がわかるようになっているか、文字は丁寧に書かれているか、などを確認しよう。
また、切手の貼り方が曲がっていないか、封はきれいにされているか、といった細かい点を見ることで、相手の性格がおおざっぱなのか、細やかなのかがわかる。
特に、発送作業やファイリング作業を任せることが多い、経理・総務といった事務職を募集している場合、字のきれいさと合わせて「書類の封入作業の丁寧さ」をチェックすること。
履歴書 メール添付で送られてきている場合、ファイル名が「履歴書(山田).doc」など、「誰の履歴書か」がわかるようになっている応募者は、採用側が複数人数の履歴書ファイルを管理することを想定できているため、コミュニケーション力があるとみなすことができる。
誤字・脱字、タイプミスがある場合は、注意力がない人物で、冷静さに欠ける。また、顔写真を貼り付けていない応募者は本気度が低いことがあるので注意。
文章力がない人物は、学力だけではなく、コミュニケーション力にも難がある場合が多い。
職務経歴書 1社に長く勤めている人物は◎。辛抱強さやある程度のスキルがあるとみなすことができる。転職3回以上の人物は若干リスクあり。「合わない」と感じたらすぐに辞めてしまうかも。不自然な休職期間や無職の期間がないかもチェック。
プロジェクトでの成果や売上への貢献は、大げさに書いていることも多いので、鵜呑みにせず、面接で突っ込んで確認。
メールの文面 応募書類をメールで送ってきた場合、メールの文面をチェック。「◎◎株式会社人事ご担当者様」など、宛名がちゃんと入っているか、文面がコピー&ペーストではなく、入社への意欲を感じる内容になっているか、日本語の使い方(敬語など)やビジネスマナーが身についているかなどがわかる。

2. 中小企業こそ、筆記試験を行うべし

「うちみたいな小さい会社で筆記試験なんてやったら、誰も来てくれないよ」「1人しか採用しないのに、筆記試験はいらないのでは」と思っているようでは、良い人材は採用できません。
小さい企業こそ、少ない採用人数だからこそ、筆記試験を課すべきです。
筆記試験を行う際、内容は学力試験である必要はありません。特に中小企業の場合、学力以上に「一般常識」や「コミュニケーション力」が必要なのではないでしょうか。学力試験にこだわらず、あなたの会社で働いてほしい人材に持っていてもらいたい力を筆記試験ではかりましょう。
また、筆記試験では、成績以上に「取り組む姿勢」も重視しましょう。例えば、制限時間ギリギリまで粘って見直したり、書きなおしたりしている人物の本気度は高いでしょう。一方で、余った時間はボーっとしているような人は、粘り強く仕事に取り組む人物ではない可能性が大。筆記用具を忘れたり、解答用紙を汚す人物は注意力散漫です。
自作できる!オススメの筆記試験内容
ビジネスマナーテスト

例:来客を受け付けた際に、かける言葉として正しいものは?
1、「部長が来るまで、しばらくお待ちください」
2、「部長が参りますので、しばらくお待ちください」
3、「部長がおいでになりますので、しばらくお待ちください」


敬語の使い方、手紙の書き方、電話応対など、社会人として「アタリマエにできていてほしいこと」を出題。これらのテストをしておくことで、入社後に「こんなことも知らないのか!」と怒らなくても済む。

顧客対応力テスト

例:電話でお客様からクレームが。「今日買ったばかりなのに、商品が壊れているんだけど!」と怒っています。あなたならどのような行動を取り、どのようにクレームをおさめますか?(自由記述)


あなたの会社で「よくある事例」をピックアップし、何問かパターンを変えて出題しよう。自由記述にすることで、応募者の思考回路がよく見えてくる。
単純計算テスト

例:下記の答えを求めよ
1+3+12+6+5+65-25=
2+5-1+8-2+5-14-1+9+6+2+1-5=


例のように、長い式の足し算や引き算を30問位準備しておく。15分間など、短めの時間でできるだけたくさん解かせ、その正答率をはかる。「たくさんの問題を解いているが、ミスが多い」「解けた問題数は少ないが、間違いがない」など、応募者の性格が見抜ける。事務能力を確認するのに有効なテスト。

3. 面接は複数回できればベスト

書類、筆記試験に通過すると、いよいよ面接です。面接は、雇用する前に準備しておくことであなたが考えた「ほしい人材像」に近い人物かどうかを確認する場です。「ほしい人材像」かどうかを確認するために、どのような質問を投げかければよいかをあらかじめ考え、面接シートにまとめておきましょう。
できれば、面接は複数回行いたいもの。1回目は、筆記試験+面接とし、2回目を最終面接とするのも手。面接官も複数いればベストですが、難しければあなた自身が2回面接しても良いのです。タイミングを変えて2回会うことで、応募者の印象が大きく変わる場合もあります。
面接では、応募者を比較検討する意味でも、いくつかは決まった質問を投げかけましょう。
また、中途採用の場合は、前の会社を辞めた理由、転職したいと思った理由を突っ込んで聞きましょう。人のせいにするような人物であれば要注意です。
ほしい人材像をあぶり出す質問例
ほしい人材像 あぶり出す質問例
リーダーシップがとれる人

「アルバイトやクラブ活動で、自分よりも年上の人を指導したことがありますか? その時に、周囲の人からどう思われていたと思いますか?」


自分よりも年上の人物を指導する、という経験がある人物は、複雑な人間関係の中でもリーダーシップを発揮できることが多い。また「周りにどう思われていたと思うか」という質問によって、自分を客観的に観る能力があるかをはかる。他人を尊重するリーダーかどうかを確認。
素直に人の言うことを聞く人

「少し失礼かもしれないけれど、あなた、本当は意地っぱりなのかな?」「実は、あまり◎◎の仕事が好きじゃないんだね?」


あえて、相手を少し否定してみる質問。素直な人物は「たしかに、そうかもしれません・・・」などと受け入れる姿勢を見せるもの。
ムッとした表情を見せたり、まったく聞く耳を持たない人物の場合、仕事上でも忠告をきかないタイプかも。
コミュニケーション力がある人

「今日の昼ご飯、何食べた?」、「今日、面接が終わった後どこに行くの?」


応募者が面接で聞かれるとは思ってもいないような質問を投げかけ、どう反応するかを観る。